災害に備える30日分!栄養が偏らない効率の良いストック法とは

   
   
 
 

災害時「栄養不足にならない備蓄方法」簡単バランス非常食料30日分

災害時だからこそ、栄養バランスが大切

前ページで書きましたが、災害時は、普段食べ慣れている物を食べることによって、日常を取り戻したいという希望と、慣れている物によって心のバランスがとれるようになります。

「栄養まで考える」ということについては、被災の経験がある方に、大変心苦しい気持ちがあります。

しかし、経験された方たちが多く伝えてくれたことは、大切に後世に残していかなければならないことだと思うのです。

一番大切なのは発災時「命」を守る。

そして助かった命を最大限に生かす。

そのために、体と心のバランスは大切です。

 

避難所は希望者が入れるところではなく、家が倒壊し身ひとつになった方の生活の場です。

それは、別記事に書かれていますので、合わせてお読みいただくことで、お役に立てると思います。

絶対用意すべき3日間食料。

しかし、最近の様々な災害の経験から、7日間に引き伸ばされつつあります。

大災害の時には、物がなかなか届かないからです。

政府が呼び掛けている「自力で生きる!在宅避難」

ライフラインがストップ・救援物資がなかなか届かない…その状況を30日と捉えて、備えておくことをおすすめします。

しかし、経済的負担や賞味期限切れによる食品廃棄にならないように、ローリングストック法で栄養を考えたメニューで30日間備えていく方法を紹介します。

災害時の備え「非常食だけ」という思考を改める

もしも…と考えると暗い気持ちになります。

しかし、今、誰の身にも起きる可能性があるのが、自然災害です。

避難所に行けばどうにかなる…という方が多いことや、救援物資が不足する可能性が高いなど、災害時には問題が山積みです。

町の環境整備は行政に任せざるを得ないとしても、自分の身は自力で守る覚悟が必要です。

生きるためには“食”への考えが重要です。

突然の地震は止めることができませんが、その日のために準備はできます。

災害時の食事は空腹を満たすことが大前提です。

避難直後での配給のおにぎりやパンなどは、ありがたく感謝しておいしく食べられるのですが、長期間、炭水化物を摂り続けていると、心はそればかりではなくなってきます。

炭水化物に偏った食生活では栄養不足になり、体調不良の原因となっていきます。

そして、人は“食”によって、やる気になったり無気力になったりします。

慣れない生活の上、乾パンやインスタントラーメンなどの非常食ばかりを食べていると、それは大きなストレスとなり、肉体的・精神的に落ち込んでいくのです。

日常の生活に近いことが、何よりです。

非常食は一時の避難用として、家にある備蓄が取り出せる状況であるのであれば、防災食としてストックしておいた食材で、バランスのよい食事を摂るように心がけることが大切です。

では、どのように30日分備えておけばいいのか?

具体的にあげていきます。

食品は栄養別に考えて30日分を備えておく

食材を備えておいたほうがいいのは、何となくわかっているけど、やみくもに揃えると偏ってしまいます。

栄養バランスを考えてストックする方法で、栄養別ローリングストック法です。

基本はローリングストック法で、それを栄養別に分別して考えます。

主食-炭水化物を30日分ローリングストック

主食である炭水化物は、ダイエットをしている方など減食していることがありますね。

しかし、避難生活では、主食となる炭水化物は、生きていくためにさまざまな活動をするエネルギー源になります。

生命を維持するために、備蓄食材の中で一番用意すべきものになります。

備えておく炭水化物の例

 

揃えておく内容は、家族構成によって、さまざまです。

ひとり暮らしの方は、災害時に便利な温めるだけの白米があります。

しかし、大人数の場合は、ひとり1パックを用意するだけでも膨大な量になります。

備えておく炭水化物の例です。

  • ごはん…白米・玄米・麦など
  • 乾麺…うどん・そば・そうめん・パスタ・中華そばなど
  • 粉もの…小麦粉・お好み焼きのもと・ホットケーキミックスなど
  • 加工済み炭水化物…パンの缶詰・ビスケット・シリアル・お餅など

 

我家は9人家族なので、一日一食パックご飯を食べると想定すると、30日で270パック!

災害ななければ、それを食べなければなりません。

やはりパックになっているものは、3日分で十分です。

3日以降は、真空パックされているお米を50㎏用意して、ポリ袋を利用して鍋で炊く前提で、発災時の避難所用7日分は用意し、災害用の食材は家が倒壊したときのために、家の外に用意している倉庫にも食材を用意しました。

炭水化物は30日分は確保して、家族に食事を作りたいと思うのです。

具体的に30日分を想定してみる

 

30日分の炭水化物を用意するにあたり、朝食はパン系・昼食は麺系・夕食は飯系と分けました。

朝食のパン系は、フライパンで発酵しないで焼く方法と、ポリ袋で作る方法の二択で考えています。

ホットケーキミックスなどの加工された粉を使ったりすると簡単です。

昼食は、うどん・そば・パスタ・ラーメン・やきそば・5品を6回まわして30日分。

夕食は、ごはんを作ります。

1か月に必要な米の量を必ずストックしておきます。

はじめからバリエーション豊かにできるように、メニューを決めてしまうととてもラクです。

主菜-タンパク質を30日分ローリングストック

主菜となるタンパク質は、魚介・肉・大豆製品です。

タンパク質を手軽に摂るのは、缶詰が手っ取り早いです。

加工されたものもありますし、非常食として美味しいレトルトタイプもありますが、その食品を30日分備えるには、かなり高額になってしまいますし、その食品をローリングストック法で揃えることで、飽きることなく消費できます。

普段の食事に防災食を取り入れて、家族の好みの味に料理にしておくことで、避難生活にホッとしたひと時の時間ができるのではないでしょうか。

缶詰は良質なモノが多いので、是非缶詰を使って料理をしてみてください。

詳しい缶詰の記事がありますので、合わせてお読みいただくとお役に立てると思います。

豆類は袋に入っているタイプでも、賞味期限が1年もあるタイプのものがありますので、スーパーなどの様々な豆類の賞味期限を確認してみましょう。

備えておくタンパク質の例

 

肉や魚・大豆と、タンパク質は欠かせません。

好き嫌いがあると思いますが、家族が好きな食材をメインに考えていきましょう。

乾燥されたものや缶詰の他にも、常温で利用できる食品は、いろいろあります。

備えておくタンパク質の例です。

  • 魚介類…さば・さけ・あさりなどの水煮や、オイル漬けのツナ缶や、味付け魚缶など
  • 肉類…鶏肉・牛肉・豚肉など様々な肉の缶詰があります。
  • 大豆…水煮の缶詰もありますが、乾燥されたものや、高野豆腐などの加工品も便利です。

肉類には様々な味付けをされたものがあり、調味料がなくても美味しいものが多くあります。

 

具体的に30日分を想定してみる

我家のストックの例ですが、30日分想定してみます。

缶詰をメインに考えているので、ローリングストック法で、1年内に30日分の食材を消費するようにしています。

我家は大豆食品は毎日副菜として摂取しているので、毎日大豆を使います。

1週間の主菜メイン食材ですが、味付きでもそのまま食べるのではなく料理をします。

  • -さば水煮缶
  • -鶏肉水煮缶
  • -さけ水煮缶
  • -牛肉缶(コンビーフ)
  • -さんまかいわし缶
  • -豚肉缶
  • -カレーなので、魚介や肉類+豆類

ざっと、主菜のメイン食材を決めておくと、メニューによって他に何が必要かが見えてきます。

副菜-不足する食物繊維・ミネラル・ビタミン・カルシウム調整

災害時の生活では、新鮮な生野菜が入手できないことから、どうしても食物繊維・ミネラル・ビタミン・カルシウムが不足してしまいます。

体を健康に保つためには、代謝をよくして体を強くしなければなりません。

そして、意識しないと摂れないのが「カルシウム」です。

乾物や缶詰を利用して、意識して摂りたい食材になります。

備えておく食物繊維・ミネラル・ビタミン・カルシウムの例

 

備えておく食物繊維・ミネラル・ビタミン・カルシウムの例です。

炭水化物であるごはんやうどんと混ぜで食べたり、副菜としても使いやすいのが、乾燥された野菜や乾燥類です。

乾燥野菜は多くの種類が売られていますが、自宅でも簡単に作れます。

  • 海藻類…わかめ・ひじき・こんぶ・とろろ昆布・煮干しなど
  • 野菜類…トマト缶・切り干し大根・乾燥きのこ・乾燥野菜・野菜水煮・漬物・野菜ジュースなど
  • 果実類…フルーツ缶・ドライフルーツ・乾燥レーズン・クコの実など
  • 乳製品類…スキムミルク・粉チーズなど
  • ナッツ類…アーモンド・くるみ・ごまなど
具体的に30日分を想定してみる

 

主菜の量が少ない状態になるので、毎日少量でも大豆を使用するようにしましょう。

そして、上記の備えておく食物繊維・ミネラル・ビタミン・カルシウムなどの種類を最低1つは使用するようにします。

例えば、カレーライスを主に考えてます。

さばのカレー…白米・さば缶・トマト缶・大豆・乾燥野菜(人参・ごぼう・たまねぎなど)カレー粉
サラダ…切り干し大根・クコの実・乾燥パセリ・ナッツ類・マヨネーズ
味噌汁…わかめ・いりごま
デザート…杏仁豆腐缶詰

 

炭水化物・タンパク質・ミネラル類をすべて使うようにしてメニューを考えていきます。

1日1汁で味噌汁がおすすめ!

避難生活で欠かさないでいただいてほしいのが、味噌汁です。

豚汁のような味噌汁が、おにぎりと共に配給されることがあると思いますが、避難生活では塩分不足になることがあるのです。

そして、生の野菜など酵素も摂ることができない状態の中で、味噌汁は唯一乳酸菌や酵母が摂れる食品になります。

具材は乾燥野菜や乾燥された海藻類を入れるだけでいいのです。

今は便利なお湯を注ぐだけのような味噌汁もありますし、味噌を多めに用意しておくことで、白いごはんに味噌をのせて食べてもいいですね。

避難時でも1日1汁・1日1味噌を心がけるように、備えの一つに加えてください。

デザートは心と体のお薬に!

上記カレーライスのメニューで、デザートも?…と思われたでしょうか?

普段デザートまで考えていない食生活を送っていても、非常事態だからこそ、甘い食べ物で心をホッとさせることが、とても大切です。

糖分を補給することで、脳の働きを活性化させ、心身のストレスを軽減させる…そのような気配りを、食事の中に取り入れていきましょう。

栄養バランスがよい食材の収納方法

 

ローリングストック法で30日分の食材をストックする場合、栄養素別に収納すると何が足りないかわかります。

食物繊維・ミネラル・ビタミン・カルシウムなどは、何がどのように必要なのか?…となり、不足するものもあれば、多すぎてしまうこともあります。

乾燥物や缶詰を使った、好きなメニューを一度書き出してみると、明確に必要なものがわかります。

収納の美しさを考えると、缶詰は缶詰で集めて…と、同じ形状のものをきれいに並べた方がいいですが、栄養バランスを把握するためのストック方法は「栄養別」が便利です。

棚をひとつ用意するのであれば、下段が重いモノで、水と米の炭水化物・中段が缶詰類が多いタンパク質・上段が乾物で軽いモノが多い食物繊維・ミネラル・ビタミン・カルシウム類など、工夫して収納してみてはいかがでしょうか。

ローリングストック法で、使ったら補充し、常に30日分は備えておくようにしましょう。

 

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