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1日に必要な水は?備蓄はどのくらい?
防災の備えを意識したとき、何を一番に考えるか?
やはり「水」です。
何と言っても生きるために「水」は必要です。
水の備えは、いったいどのくらい用意するべきか?
1日に必要な水の量は、自分の体から排出される水の量を補給する量が必要です。
まず、大人が1日に人間が体外に排出する水の量は2リットル~3リットルです。
子どもから大人・高齢者と代謝によって違いますし、体重や体型によっても異なります。
排出される水分量の内訳は、自分で確認できる尿や便として1~2リットルです。
自分では無意識の呼吸をするのに必要な水分や、汗や皮膚の蒸発に、約1リットルあると言われています。
夏の暑い日などは皮膚より汗をかくので、季節によっても必要な水分量は違います。
よって、人が生きていくために必要な水分量は「1日2~3リットル」です。
エアコンのない避難生活で、夏の場合は5リットル前後の水が必要です。
人間は飲み物だけで水分を摂るわけではありません。
食べ物から毎日約0.6リットルの水分を摂っているので、飲み物から摂取する水分は1日1~1.5リットルが目安となります。
1日に必要な水の量は、1日に体から出ていく水の量を補う量です。
そのため、災害時に用意する水は「1日2~3リットル」と言われています。
1次避難は3日分なので、成人の場合で約9リットル。
2次避難は7日分なので、21リットル。
大災害である東日本大震災の場合は、給水車が足りない状況でした。
大都市で道の復旧が遅くなることを想定し、生きていくために1か月の水を用意するならば、90リットルが必要で2リットルのボトルで45本です。
給水車が間に合えばいいのですが、もし南海トラフの大災害が起きるのであれば、どの自治体も給水車は足りないと言われています。
水を飲まないとどうなるか?
人の体は食べ物がなくても、水さえあれば1ヶ月近く生きることができると言われています。
もし、水が1滴も飲めない状態になると、人は2~3日で生命維持は困難となってしまうのです。
体から水がなくなっていったら…
- 水分が1%の損失…のどの渇き・運動能力の低下など
- 水分が2%の損失…強いのどの渇き・めまい・吐き気・食欲不振など
- 水分が4%~5%の損失…疲労感・頭痛・めまいなどの脱水症状
- 水分が10~12%の損失…身体動揺・筋けいれんや失神
- 水分が20%の損失…生命の危機
水分が損失することで、熱中症や脳梗塞・心筋梗塞などの健康障害のリスクが高まり、生命を維持できません。
何よりも、自分や家族の必要量の「水」は備えておきましょう。
なぜ水に賞味期限があるのか
ミネラルウォーターに賞味期限が設定されています。
水である純粋な「H2O」は、時間が経っても劣化しないはず。
それなのに、ペットボトルに入っている水などには賞味期限があります。
一般の食品の「賞味期限」の場合、この期間までに消費しないと、味が落ちたり腐敗したりしてしまいます。
ミネラルウォーターの賞味期限は「おいしく」飲める期間に限度があるので設定されています。
ミネラルウォーターの賞味期限は、ボトルのキャップのところに賞味期限が小さく印字してあります。
実は、賞味期限をすぎても、ペットボトルの水は衛生面では何ら問題がないと言われています。
しかし、収納場所や保管時間によって、水に臭い“におい”臭いを感じるようになります。
ペットボトルにはわずかながら気体透過性があるので、長い間保管することによって、周囲の“におい”が移ってしまう可能性があるのです。
ミネラルウォーターを収納している周囲の“におい”が移って、味わいを損ねる可能性があるために、ミネラルウォーターには賞味期限が設定されています。
では賞味期限が1年のものと5~7年、現在は15年保存が可能な「水」があります。
スーパーやコンビニで売られている一般の水と違う「長期保存水」があります。
2年や15年と保存期間の違いや、一般のミネラルウォーターと長期保存水は、どのように違うのでしょう。
災害備蓄用「長期保存水」とは
東日本大震災時、想像を超える被害によって道の復旧が遅れ、水の配給が予定通りに行うことができないという経験によって、静かに注目されているのが「長期保存水」です。
長期保存水とは、普通のミネラルウォーターよりも長期間保存できる水の事です。
普通のミネラルウォーターでは、ペットボトルから“におい”がうつってしまうことがわかりました。
普通のペットボトルは、わずかな気体透過性があり、実際ペットボトルの素材を透して中のミネラルウォーターが蒸発するので、中身の量が徐々に減っていきます。
市販のミネラルウォーターと「長期保存水」の違いは、製造過程にあったのです。
ミネラルウォーターは高温殺菌処理していませんが、長期保存水は一次殺菌、二次殺菌と、高温殺菌処理してから容器に密封しています。
メーカーによって、自然濾過されている水・精密フィルター使用など様々な長期保存の技術の違いがありますが、すべての「長期保存水」の基本は、“高温殺菌処理”をしている水が「長期保存水」になっています。
水の備蓄|ミネラルウォーターと長期保存水のどちらがいいのか?
ミネラルウォーターをペットボトルに充填する際、高温殺菌処理などを施し、長時間保存可能になった特別な水である「長期保存水」は、やはり価格が高いです。
しかし、普段の水は水道水を使用している方々にとって、賞味期限が短い水をストックするのは、無駄にも感じるかもしれません。
一般のミネラルウォーターの賞味期限は長くて2年。
ミネラルウォーターが保存期間2年で、2リットル1本約100円として、長期保存水は保存期間7年で1本約300円で、価格としては約3倍です。
はじめに購入をするときに、高価なものと感じるかもしれませんが、ローリングストック法でミネラルウォーターを購入していくと7年間で3回以上は購入しなければならないので、長期保存水の方が安く保管できることになります。
しかし、常に水をペットボトルで購入している家庭の場合は、普通のミネラルウォーターを継続してストックしておけばいいのですが、すべての水をペットボトルから使用するご家庭でない場合は、「長期保存水」で7年間は水のストックのことを考えなくても良いという考え方もできます。
私は1か月の水の確保が必要だと思っています。
しかし、すべての料理に関してペットボトルの水を使っていません。
浄水器を設置しているので、ペットボトルから水を使うことが少ないのです。
1か月の水の確保として、15日分をミネラルウォーターで15日分を長期保存水と両方ストックしています。
ミネラルウォーターはローリングストック法で考えています。
日常の生活の中で、ペットボトルの水を使用していないのであれば、たとえ1本が高くても長期保存水を用意しておくことで、水のストックは長期間考えなくて済みます。
ペットボトルの水を頻繁に使用するご家庭であれば、ローリングストック法でまわしていくといいでしょう。
そして、浄水器を使用したり、ミネラルウォーターを頻繁に使用しないご家庭では、半分だけ長期保存水をストックしておくのもいいでしょう。
各家庭によって生活が違うので、どちらがいいのか?とはっきりとした答えはありませんが、基準は「大災害が突然起きても、命を守る水だけは多めに確保しておく」という考えで備えておきましょう。

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