災害食「ポリ袋料理・空中料理」最小限の水で防災食を作る方法と注意

   
   
 
 

災害時のために、最小限の水で日常食を作ってみよう

非常食と災害食の両方を用意していますか?

非常食と災害食はちょっと意味合いが違います。

非常食は、災害などの非常事態により通常の食糧の供給が困難になった時のための食糧で、調理をすることなく簡単に食べられるものです。

災害食は、災害などの非常事態により通常の食糧の供給が困難になった時のための食糧で、非常食よりも広く、日持ちのする日常食を非常食としても使おうという食べ物で、最近はローリングストック法によって、政府が日持ちする食糧をストックをするように呼びかけています。

災害時ではライフラインが停止されることが多く、災害規模によっては数週間・数か月と「水」の使用を最小限にしなければならない状況になります。

普段の生活のように、調理や洗い物に使用する水の使い方を知っているのと、全く知らないのでは、避難生活での苦労が全く違います。

どんなに行政に「給水車を!電気を!…」と訴えても、災害状況によっては、行政や復旧作業が機能しない場合もあるのです。

避難所に避難しなければならない状況になった方もいると思いますが、基本的に自力で生きていかなければなりません。

そのような状況を想定して、自宅で水とエネルギーを最小限度にした調理法と生活を1日でよいので過ごしてみてください。

その経験によって、用意しなければならないモノがわかりますし、もし災害にあった時、焦らず調理ができると思います。

そんな時のために、ポリ袋と空中の調理法を知っていると、災害時のご飯づくりの苦労が半減します。

災害時の空中料理

空中料理で使うものは、「キッチンばさみ」です。

包丁料理は、まな板が必要になり、包丁とまな板を衛生的に保てないことや、洗う水が必要になるため、キッチンばさみを使います。

私は、多機能のはさみと、空中でカットしやすいカーブになっているはさみを使っています。

よほど固い食材でなければ多機能のはさみは不要ですが、どんなことがあるかわからないので、多機能ばさみも用意しています。

にんじんなどの根菜の場合は、多機能の方がギザギザしている部分とクルミを割る部分などでカットしやすいです。

カーブしているはさみは、人の手の動きが計算されていて、とても使いやすいです。

しかし、はさみは何でもよく、今は100円均一のキッチンばさみでも、十分使えると思います。

野菜や肉・魚など、冷蔵庫・冷凍庫に何日分の食材をストックしているか個々違うと思いますが、災害があるかもしれない…と準備しておきたい方は、ローリングストック法で用意しているでしょう。

それらのほとんどは「空中料理」ができる食材だと思います。

ビニールの上で(空中)カットされた野菜などを直接ビニールに入るようにします。

その調理方法を「空中料理」とし、洗い物を最小限に…そして衛生的に調理していきます。

災害時のポリ袋料理

普段の調理法で「ポリ袋」はよく使用していませんか?

電子レンジで野菜を蒸したり、食材と調味料を混ぜる時、ボウルで行うよりもビニール袋でもんだ方が味がしみ込んで便利だからです。

洗い物もいらないですし、節水にもつながります。

その後、火を通す調理をビニール袋で行うのですが、メリットの他に、いくつかの注意事があります。

ポリ袋料理のメリット

災害時の制限がある環境下では、いかに手をかけず節水をして衛生を保つかということを、一番に考えなくてはいけません。

普段の調理でも、具材に下味をつけたり、混ぜたりするときにボウル代わりにする方もいらっしゃると思います。

唐揚げなどの下味は、ビニール袋ですることで洗い物もなくとてもラクです。

災害時では、火を通す工程もビニール袋のまま調理することで、更に洗い物を減らすことで、節水に繋がります。

【ポリ袋料理のメリット】

1.洗い物を減らして節水になる。

2.ビニール袋は使い捨てになるので衛生的である。

3.調理法が簡単で手間を省ける。

4.調理法の基本を守れば、複数の料理を同時に加熱できる。

5.災害時、調理後ビニール袋を開けるだけで、食器がいらない。

 

ポリ袋料理の基本と注意事項

基本は食材をビニール袋の中にいれ上を結んで、鍋に水と食器を入れて、湯せんにかけるだけです。

ポイントを注意することは、しっかり守りましょう。

【ポリ袋料理の基本と注意事項】

1.ポリ袋に食材と調味料をいれます。
→注意
必ず耐熱性のポリ袋を利用する。
別記事を用意しているので参照してください。

2.調味料を加え、ビニール袋の外から、手でもんで混ぜます。
→注意
煮物を作る場合は、具材に味をしみ込ませるために、漬け込む時間が必要です。

3.ビニールの空気を抜いて、上の方で口を結びます。
→注意
ビニール袋の中は、熱が加わると膨張したり、食材が膨らんだりするので、必ず空気をぬいて、膨らむことを前提として余裕を持たせて上の方で結んでください。

4.鍋に水をはって、耐熱性の皿を敷きます。
→注意
熱を加えた時ビニール袋が直接底にあたるとビニール袋が破れたり溶けて変形してしまうため、必ず皿は用意してください。
耐熱性の皿は、特別な皿ではなく、熱を加えると溶けてしまうようなプラスチック製や、フニャフニャになってしまう紙製ではないものを指し、普段使用している陶器や磁器を使ってください。

5.鍋にポリ袋を入れて、水の状態から加熱します。
→注意
鍋のふちにビニール袋があたっていると、溶けたり変形したりします。
食材が入ったビニール袋を入れても、余裕がある状態で加熱してください。

6.菜箸やトングで取り出します。
→注意
加熱されたビニール袋の中は、高温になっているため、火傷に気を付けてください。

ポリ袋やはさみを利用した調理法は、災害時だけではなく日常の生活でも役立ちます。

前述でも述べましたが、出来上がりの味や食感は好みで、焼きが入らないことで照りがなく物足りなさを感じるかもしれません。

しかし、缶詰を利用したり、乾燥物を利用する調理を行うことが多い災害時では、十分においしい食事だと思います。

日常食で“防災食”として、一度は練習しておいて!空中料理とポリ袋料理

ポリ袋料理は真空料理ができ、柔らかく出来上がるのですが、個人的に鍋やフライパンで作った料理の方が好きです。

鍋で煮た煮物の肉じゃがなど、イモ類の表面ががちょっと崩れるから美味しいと感じますし、ブリの照り焼きや生姜焼きは、焼いた方がちょっと焦げ目があって美味しく感じるのです。

あくまで、私の個人の意見です。

しかし、災害時は食べられることに感謝をするべきであり、その環境下で節水とエネルギーの節約をするという条件を満たす調理法は、ポリ袋料理法です。

ごはんひとつ炊くのも、電気が使えなければ炊飯器が使えません。

お鍋でごはんを炊けば、鍋にご飯粒がついている上に、洗い物に水が必要です。

ご飯粒を洗うかのように、汁ものを1度作ればいいのですが、それ以上は衛生的に洗わない訳にはいきません。

そのような不便なことを解消してくれるのが、ポリ袋料理です。

参考記事:「炊き出し用の「魔法の米炊き袋」でおいしく炊ける」で、便利なポリ袋でごはんを作る記事ですので、合わせてお読みいただくと参考になると思います。

ごはんを炊くことと、煮物などを作ることを練習しておきましょう。

そして、それは家族や同居人全員で!

調理を担当する人が、災害で無事であるとは限りらないからです。

家庭内のすべての人が、災害時はどうするかと、家の中のことは把握しておくことが大切なんです。

私は防災士として、小学校にも指導してまわりましたが、みんな「ポリ袋料理」を喜んで作っていました。

その子達が、親御さんに教えるように、家でも一度作ってみてと言っています。

我家の小学生3年の孫でも、ひとりでできるようになりました。

災害時は、“自力”でどのように生きていくか…という知恵が必要になります。

料理に限らず、家族や同居人といろいろ試しながら、災害を意識してみましょう。



 
 
日常から非常食への代替栄養食
気になる記事をチェックしてね♪
  1. 食品の備蓄法「ローリングストック法」
    ローリングストック法(1)救援物資がない!日常備蓄の思考で非常食
    ローリングストック法(2)食料と日用品の注意点と2つのポイント
    ローリングストック法(3)備蓄品の分散収納方法!災害を想定し工夫

  2. 備蓄の栄養
    災害時「栄養不足にならない備蓄方法」簡単バランス非常食料30日分
    災害に備える30日分!栄養が偏らない効率の良いストック法とは

  3. 備蓄食品の利点
    防災食は何を何日分どう備蓄?日常食で30日備える5つのポイント
    【粉もの】災害時の救世主「粉もの」コーナー
    【乾物&フリーズドライ】災害時不足する食材を補える「乾物」のコーナー
    【缶詰】防災食&日常食で取り入れたい「缶詰」コーナー
    【レトルト】災害時の備蓄用非常食「レトルト食品」コーナー
    【乾麺】手軽で主食になる「乾麺」コーナー

  4. 自家製の乾燥物
    天日干し野菜はムダなく旨味が凝縮!災害時の野菜不足を乾燥野菜で補う調理方法
  5. ローリングストック法で備えておきたい便利な食材
    【主食になるもの】米や麺類だけはなく、主食の代替食コーナー
    【食材になるもの-魚・肉・たんぱく源】普段食べているものだけど、備えておきたい食材コーナー
    【食材になるもの-野菜・海藻類など】乾燥野菜をはじめ、用意しておくと便利な食材コーナー
    【味付けになるもの】災害時、便利な味付けになる食材などのコーナー
    【乳製品】災害時は乳製品が入手できなくなるので代替品を紹介コーナー
    【嗜好品】果物やお菓子など災害時に栄養に結びつくモノコーナー
    【調味料】備えておくことで便利で日持ちする調味料のコーナー
    【飲み物】災害時だからこそホッとできる1杯のドリンクを備えるコーナー

  6. 市販の非常食
    【非常用のご飯】備えて便利な包装米飯!非常食の5年間長期保存と数か月のパックご飯
    【非常用の水】水の賞味期限と備蓄「長期保存水とミネラルウォーター」どちらがいい?
    【非常食アレンジ】カンパンを備えるか?賞味期限切れ前に5つの料理方法で食べた
    【非常食定番】防災対策に非常食「氷砂糖」を備える理由と体に与える3つの利点
    【災害準備】コストコと100均で非常食用意!水だけでできるパスタ
    コンビニと100均のお菓子が外出先で災害時の備えに!バッグの中の非常食!心得サイト
    【非常主食・ごはんやレトルトカレー・味飯】安全で主食になる食料コーナー
    【非常食汁物】備えるのに必要「汁物」コーナー
    【非常食主菜】そのまま主菜として食べられる「主菜」コーナー
    【非常食副菜】体のバランスを整える「副菜」コーナー
    【非常食お菓子】大人から子供まで備えたい「お菓子」コーナー
    【非常用ドリンク】災害時だからこそ備えたい「飲み物」コーナー
    【非常食健康食品】災害時の栄養不足を補う備え「健康食品」コーナー

  7. 防災料理のアイデア
    災害食「ポリ袋料理・空中料理」最小限の水で防災食を作る方法と注意
    災害時「警視庁おすすめ水漬けパスタ法」他の乾物でも代替!ローリングストック法アイテム



***関連記事***




 
 
  1. 災害時の電源供給は移動式蓄電池&ソーラーパネル!ポータブ…

  2. 災害備蓄「ペットボトル水の収納・保管方法」間違っていませ…

  3. 災害用として「家庭菜園」プランターで野菜のローリングスト…

  4. ウイルス対策!緑茶や紅茶を飲む効果と正しいうがい予防法・…

  5. 緊急事態宣言による食事のあり方!免疫力UPの食品を意識し…

  6. 新型コロナウイルス「疫病災害」ライフラインは止まらない前…

  7. 新型コロナウイルス対策!自己免疫力を上げる4つのポイント…

  8. 大災害や首都封鎖ロックダウン!非常時の備蓄食品リストアッ…

  9. 3月1日「防災用品点検の日」4段階必需品リストと大災害の…

  10. コンビニと100均のお菓子が外出先で災害時の備えに!バッ…

  1. 2020.06.21

    災害時の電源供給は移動式蓄電池&ソーラーパネル!ポータブ…

  2. 2020.06.15

    災害備蓄「ペットボトル水の収納・保管方法」間違っていませ…

  3. 2020.04.27

    災害用として「家庭菜園」プランターで野菜のローリングスト…

  4. 2020.04.17

    ウイルス対策!緑茶や紅茶を飲む効果と正しいうがい予防法・…

  5. 2020.04.07

    緊急事態宣言による食事のあり方!免疫力UPの食品を意識し…

  6. 2020.04.05

    新型コロナウイルス「疫病災害」ライフラインは止まらない前…

  7. 2020.03.31

    新型コロナウイルス対策!自己免疫力を上げる4つのポイント…

  8. 2020.03.26

    大災害や首都封鎖ロックダウン!非常時の備蓄食品リストアッ…

  9. 2020.02.27

    3月1日「防災用品点検の日」4段階必需品リストと大災害の…

  10. 2020.02.20

    コンビニと100均のお菓子が外出先で災害時の備えに!バッ…

  1. 2019.06.01

    非常食缶詰アレンジ定食「やきとり」簡単主菜アレンジで栄養…

  2. 2019.05.25

    非常食材から作った定食:サバ水煮缶大根おろし添え・枝豆昆…

  3. 2019.05.21

    非常食のおすすめバランス定食!レトルト赤飯と野菜たっぷり…

  4. 2019.04.14

    非常食レトルト魚類主菜の手間なしお湯だけで作ったバランス…

カテゴリー

防災関連の機関と対策