冬の防災-ライフラインがストップ「冷えた体を温める必要なモノ15選」外側対策編

   
   
 
 


災害時の寒さを「内側から対策する方法5つ

体が冷えてしまうと体にどんな悪影響を与えるのか?

そして、体の内部から温めるにあたり、何を用意すればいいのか?…と5つの必要なモノを2ページに渡り紹介しましたが、今回は体の外部からどのように体を温めてていくのか…と、用意すると便利なものを10項目、紹介していきます。

ライフラインがとまった!冬の災害で体の外側から温める部位は?

ライフラインが止まってしまうことで、暖が切れた部屋は想像以上に冷えていきます。

暖は人間の体だけではなく、家具や壁も温めているので、すべてのものが室内温度によって下がっていくため、雨・風は凌げますが、だんだん外気と変わらない室内温度になっていきます。

寒さから体力も奪われ、動くことが困難になってしまうのです。

そんな被災をしたとき、体の内側から温めるのは、温かいモノを飲んで気持ちを少しでも安定させ内臓を温めることですが、体の外部から温める方法は、体の動脈を温めることと、室内温度をできるだけ下げないことです。

体の部位でいうと、首、背中・お腹・腰(おしり)足首の5カ所を意識しましょう。

これらの部位は、血管が多いか血流が滞りがちなところです。

5か所を温める方法によって、血流がよくなり熱を生み出しやすくなります。

  1. 首を温める
    頸動脈が通っていて、首と体の血液が行き来する大事な部分なため、首を温めることで、全身が効率よく温まります。
    首と背中の間に大椎(だいつい)という全身を温めるツボがあるので、まずは首を温めましょう。
  2. 背中を温める
    肩から背中にかけて大きな筋肉があり、冷えると血流が悪くなって筋肉が固くなっていきます。
    このあたりにもツボがあるので、肩甲骨の間を温めましょう。
  3. お腹を温める
    胃や腎臓、腸などの大切な臓器が集まっていて重要な部位なのですが、皮下脂肪が多いために冷えやすいお腹は、触ると冷たくなっています。
    全身が冷えた時、おへそより指2本分下にある気海(きかい)というツボを温めるのがコツです。
  4. 腰を温める
    腰は、血管が集まっているだけでなく、首・背骨・骨盤と繋がっている自律神経の通り道です。
    冷えによる不調を感じやすい場所で、命門(めいもん)や腎兪(じんゆ)いうツボがあるため、腰全体を温めましょう。
  5. 足首を温める
    心臓から遠い足先は血流が滞りがちです。
    全身を温めるには太谿(たいけい)という冷えによいツボがあるので、太い血管がある足首のくるぶし周辺を温めます。
    指先が冷たいと寒く感じるので、指先も意識しましょう。

体全体を温めるには、効率よく部位を温めることが重要です。

被災時、体の外側から温めるために用意するもの10選

もしもの時の防寒対策として役立つグッズは、防災売り場で売られている特殊なものばかりではありません。

むしろ、普段から使用している身近な防寒グッズこそ、災害時に役立つものが多いです。

衣類:体の外側から温めるための小物の選び方

衣類はもともと着用していますが、暖がない場所においては、まず首を冷やさないようにしましょう。

インナーは長袖で首が温まるタイプのものを用意します。

室内でも室内用の上着…半纏のようなもの着用しますが、なければコートなどでもよいので、体を冷さないようにします。

足を守るために長ズボン・手の指先が冷えたら手袋・凍えるほど寒かったら室内でも着脱できるネックウォーマーを用意し、足の指先を温めるためにも厚手の靴下は用意しておきましょう。

年齢関係なく首を温めることは、被災時には必須です。

首まで温めるインナーや、着脱できるネックウォーマーやマフラーなど、何でもいいので一つは必要です。

お腹が冷えやすい人は、腹巻などを用意して、自分の体の弱点を補う衣類を準備して、いつ何があっても体を冷さないようにしておきましょう。

新聞やサランラップ・大きなビニール:体の外側から温めるためのお助けアイテム

衣類も揃えて準備ができていても、被災時の寒さは想像以上で、まだまだ防寒着が必要なことがあります。

そんな時、クシャクシャにした新聞紙やサランラップを下着と衣類の間に入れ込むことで、熱を逃がさないために数倍温かくなります。

最近は新聞紙が準備ができないご家庭もありますが、どこかでいただいてきて、ぜひ防災用品として準備しておきてください。

大きなビニール袋は洋服の代わりになるほど温かいです。

別記事を用意していますので、合わせてお読みいただくとお役に立てると思います。

やわらかさや保温などができ、睡眠がとれないほど寒い日には、いつもの寝床に新聞紙の掛布団をつくると温かくなります。

使い捨てカイロ:寒い避難所での救世主

体温を逃がさないための効果的な防寒対策として、使い捨てカイロがおすすめです。

衣類と同様、動脈のある部分を温めるようにします。

日常で使い捨てカイロなどを使うときは、手の指や足先などの末端を温めることが多いのでありませんか?

直接的な温かさは手や足の先端ですが、より効果的に体を温めるのであれば、前述でもお伝えしている首・背中・お腹・腰・足首といった動脈部分に当てて温めましょう。

そうすることで、体の一部分ではなく体全体が温まります。

服装に貼るタイプの使い捨てカイロや、体の部位に合わせていろいろな目的・形状のものがありますので、使い捨てカイロ売り場を覗いてみてください。

そして、用意する量なのですが、1日何個使うのか?何日分を用意するべきなのか?…と計算してみましょう。

たとえば、首・お腹・足の3か所に使用し、7日分を用意するとしたら、ひとり21袋の使い捨てカイロの準備が必要です。

もし途中で使い捨てカイロがなくなった場合の対策も考え、必ず衣類は準備しておきましょう。

アルミブランケット:避難所で寒さをしのぐ必須アイテム

被災をして避難所での生活を余儀なくされた場合、避難所で毛布が配られれば良いですが、災害の規模によっては不足することも視野に入れておきましょう。

体温保持率80%と体温を奪われず温かさをキープできるのが、「アルミブランケット」です。

大きな風呂敷のようなものから、寝袋の状態になっているものまで様々ですが、動くときの風呂敷のような形状から、睡眠時に使用する寝袋の形状のものまで用意すると安心できます。

寒い時のアルミブランケットは、体の冷えからあなたの体を守ってくれます。

必ず用意しておきましょう。

毛布・ブランケットなど:保温と心の安定につながる

フワフワしている毛布は温かく、心の安定にも繋がります。

人は温かくてフワフワしているものに「幸福感」を感じると言われています。

被災をして「幸福感」という言葉は値しませんが、温かさに加えて「安心」できるアイテムです。

心の安定も避難所で気を付けなければならないひとつ。

避難所で大きい毛布の持ち込みは、荷物になって不可能であっても、ブランケットのような小さなものでもいいので、用意しておきましょう。

湯たんぽ:湯たんぽひとつで暖がずっと継続できる

湯たんぽは、お湯を入れるだけで大きな面積で暖がとれる昔ながらの優れものです。

通常は寝る時に使用するという方が多いと思いますが、座っている足元に湯たんぽをおいてその上にブランケットをかぶせて置くだけでこたつのような温かさが維持できます。

湯たんぽの水は、飲むわけではないのでどんな水でもいいですが、その水を温める火元とヤカンは対で考えなければいけません。

使い捨てカイロは、一度使ってしまったらもう終わりですが、湯たんぽはどんな方法であれお湯ができれば暖が永遠にとれる道具です。

是非用意しておきましょう。

プチプチ・段ボールなど:冷たい床や窓から身を守る

床暖房や循環式の暖も、すべて電気を使用します。

そして、様々な災害で起こったことなのですが、「ソーラーパネルが地震や台風によって壊れた」ということから、暖をとる準備が成されていない場合が多く想像できます。

プチプチを窓に張り付け、段ボールは床に敷いたりと、冷気を少しでも入れ込まないように工夫しましょう。

石油ストーブ:料理もできる優れもの

 

気を使用しないで、室内を温め照明の役割も可能にする「石油ストーブ」

現代はエアコンやファンヒーターなど、電気を必要とする暖房器具を使用している方が多いのではないでしょうか。

ストーブでできたお湯や煮物・焼き芋が美味しくできる上、電気を必要としない石油ストーブが大好きでしたが、孫が産まれた10年前に危険であるということで、倉庫にしまい込んでいます。

現在はエアコンとファンヒーターにしていますが、地震の災害である場合は、余震…または本震で、再度大きな地震がくる可能性もあるため、石油ストーブを使用するのは躊躇してしまいますが、小さな子供や高齢者・動物がいる我家では、低体温などの不安材料もあるため、念のために倉庫にしまっています。

現在、年に1回試すだけで使用していません。

余震が続く状況では、ストーブなどの転倒による火災もあることから、十分な注意が必要となります。

東日本大震災後、石油ストーブの新モデルが発売されたり、カセットコンロのガスを使ったストーブなどが発売されるようになり、寒い時期の災害の経験が商品化されています。

寒い時期に大災害を受けた方々の「電気を使わず、カセットコンロのガスで、暖をとりたい」という願いで生まれたストーブですね。

石油ストーブは、煮物やお湯ができ、空気の乾燥も防げるので、対震消火装置・緊急消火レバー付きであれば、是非保管しておきましょう。

それだけ、暖がとれない避難所生活が大変だったのです。

火鉢:昔ながらの暖のとり方を見習ってみよう

火鉢は小さくても暖が取れて、炭は長時間持つのでお湯が簡単に作れる…と、昔ながらの暖のとり方を見直ししてみると、ナント火鉢は便利なものなのか…と思います。

早速、火鉢を中古で購入して、現在いろいろ試していますので、近々別記事にしてご紹介します。

運動&マッサージ:体を動かすことは体を温める基本

体を動かして筋肉を収縮させることで、熱を発生させるのも寒さ対策としてとても有効です。

寒い災害地では、じっと身を縮こまらせたくなりますが、持っているタオルなどを利用して座ったままでも体操はできます。

しかし、体を動かし過ぎてしまうと、汗をかいてしまうため軽い運動にとどめておきましょう。

腹式呼吸をするようにして、体と心を整えることも意識するのがおすすめです。

そして、すぐ温まりたい…という時は、耳ツボマッサージがお手軽です。

耳まわりにはツボが多くあり、ほぐすことで頭皮の血行が促進されて体が温まります。

災害時、寒さをしのげるアイテム15選まとめ

3ページにわたって、災害時で冷えた体の健康と、寒さをしのげるアイテムとして、体の内側から温めるアイテム5選と、体の外側から温める10選…合計してアイテム15選をまとめました。

【冷えると健康を害する】

  1. 脳の障害(メンタル)
  2. 免疫力
  3. 基礎代謝
  4. ホルモンバランス
  5. 腸の障害

【体の内側から温める5選】
災害時、すぐに配給されるかどうかわからないほどの大規模を想定して準備しておきましょう。

  1. 水:持ち出し袋に3日分(2リットル×3日分=6リットル)家庭内は1か月分が理想
  2. 水をお湯にするための道具…カセットコンロなど
  3. インスタントの温かい味噌汁やスープ
  4. 熱伝導のよい調理器具
  5. 食器

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【体の外側から温める10選】
体の外側から温めるには、道具が必要になりますが、身近なものばかりだと思います。

  1. 衣類…動脈を温める衣類
  2. 新聞やサランラップ・大きなビニール…衣類が少なく寒い時、保温効果がある
  3. 使い捨てカイロ…動脈に直接温める方法が有効
  4. アルミブランケット…体温保持率80%と体温を奪われず温かさをキープ
  5. 毛布(ブランケットなど)…フワフワしている毛布は温かく、心の安定にも繋がる。
  6. 湯たんぽ…お湯を入れるだけで大きな面積で、暖がとれる昔ながらの優れもの
  7. プチプチ・段ボールなど…冷たい床や窓から身を守る
  8. 石油ストーブ…電気を使用しないで、室内を温め照明の役割も可能
  9. 火鉢…小さくても暖が取れて、炭は長時間持つのでお湯が簡単に作れる。
  10. 体操…体を動かすことが、健康的に温まる

災害の規模によっては1か月近く…それ以上ライフラインがストップすることも想定すると、使い捨てカイロが数個では全く足りません。

日常の生活の延長線上に、便利なものや暖がとれるものがあります。

それは、災害にあったから行う…ということでは、使い慣れていないため苦痛しかないかもしれません。

購入し揃えておくものを、日常で使いこなしていると、不便なことが軽減されます。

災害は特別なこととせず、明日起こるのかもしれない…と考え、日常生活でも工夫して生活をしていきましょう。


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