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東日本大震災などの大災害の実例に学ぶ防災
「南海トラフ地震」とともに、国の根幹を揺るがしかねない災害「首都直下地震」
地震の起き方の法則「グーテンベルグ・リヒターの法則」で計算され、首都直下地震は「今後30年以内に70%の確率で起きる」と想定されていました。
東京大学地震研究所のチームが「4年以内に首都圏でマグニチュード7クラスの地震が70%の確率で起こる」と発表したことが大きく報道されました。
より精密に計算した結果、東日本大震災が起こった影響で首都直下地震が起きる確率が、グーテンベルグ・リヒターの法則で高まっているとのこと。
最新の地震の発生確率は、首都圏の各地を中心に、関東各市役所の発表は、驚くほど高まっています。
私達は、大きな災害をメディアを通じて見てきましたし、経験もしています。
しかし、映像を見て大変なことが起きていることは感じられていましたが、自分に置き換えて想像し防災意識が高まったとはまだ程遠いと思います。
大災害で起きた実例や、被災経験者が伝えてくれていることは、無駄にしてはいけないと思うのです。
「首都直下地震」を想像し、防災意識が命を救う
防災士として参加したときの講義の話です。
名古屋大学減災連携研究センターの福和伸夫教授の話で、「東日本大震災は、これから起きる地震と比較すると地震の大きさとしては小さい方になる…」と。
東日本大震災をはじめ、阪神淡路大震災など、被害にあわれた方々にとっては、言い方によっては申し訳ない言葉に聞こえますが、その意味は、個々の被害状況の大きい…小さい…と言っているのではなく、地震そのものが広範囲で想像を超える大きいということです。
そして大都市であればあるほど、人が溢れ道は寸断され、救出するべき消防が迅速に対応できる状況ではなくなっています。
移動すべき道はあるのでしょうか…。
首都圏を巨大な直下型地震が襲ったら、何が起こるのだろうか。
関東大震災の被害イメージから、下町が危なくて山の手のほうが安全と想像されがちですが、そんなことはありません。
関東大震災のときは、山の手地域では人が住んでいなかったということで、人自体が少ないために被害が少ないと数値化されているだけです。
木造家屋の倒壊…そして倒壊によって大火災…
老朽化したビルが根元から横倒し…それによって幹線道路をふさいてしまう…
河川上の橋や高架橋などが崩落し…交通網は寸断して逃げ場がない……
そして津波…
そんな状況…同時多発しているケガ人や火災
救急車や消防車は対処に追われて、絶対と言ってもいい確率で、私達のもとには来られません。
救急車や消防車は救出出動する順番がありますし、消防所や病院も被災しているのです。
私達は自力しかないという覚悟が必要です。
首都直下型地震の被害予想と二次災害は要警戒レベルに!
関東首都直下型地震ので被害予想は、死者は約2万3000人、全壊及び消失家屋は約61万棟、被害額は約95兆円規模と、内閣府の中央防災会議の情報は公開されています。
想定被害額は建物などの被害額が約47兆円で、サービスの低下などによる被害額が約48兆円。
交通網へのダメージによる経済的損失や、発生時間帯や気象条件によって火災が広まる範囲に影響を与えるなどの悪条件が重なった場合、被害総額が100兆円を超えるという試算もあります。
そして、発生後の二次災害。
首都直下型地震では、火災によって強い風と上昇気流によって火災旋風が発生するので、二次災害が大きいと言われています。
死者数と建物被害の約3分の2は、火災によって起こるものと想定されているので、最寄りの広域避難場所や、出先でも広い場所・安全と思われる場所、避難経路を確認する習慣をつけておきましょう。
首都直下型地震や南海トラフ地震の大災害が予想れる大地震の場合、どのような津波が来るのか…そして、危険な地域などの確認も必要です。
埋立地が多い場所では、液状化が起こります。
建物などの重いものが地面に沈んだり、比重が軽いものが浮き上がったり、地盤がゆるくなってしまうことで様々な影響を受けます。
被害の大きさによって、電気・ガス・水道・通信・燃料・交通…と、生活で必要なライフラインがストップされる地域があります。
「首都直下地震」3大都市圏の震度6以上の確率は?
三大都市圏で震度6以上の確立が「地震調査研究推進本部」で発表されているので、確認してみてください。
画像出典:日本経済新聞:政府の予測地図
様々なデータによってつくられていますが、いつ・どこで・どのような大地震が起きるかわかりません。
事前避難|大災害を想像し、情報を得て対策を考え、正しく恐れることが大切!
3大都市で激しい揺れと震源地によっては、太平洋沿岸では最大で30メートル以上の津波が押し寄せる可能性があるため、国が考える対策で発生の可能性が高まっていると判断した際「事前避難」として、あらかじめ避難を呼びかける方針をまとめました。
30メートル以上の津波って…。
海が壁となって押し寄せてくるんですね…。
事前避難は現時点で地震が起きていなくても大地震が起こる可能性が強まった時に発令され、避難時、食事は自分で用意して1週間程度避難するのです。
便利で快適な居住空間で生きている今、大地震によって大規模な停電や断水などに見舞われた途端、都市のインフラの脆弱性のあおりを受け、パニック状態に襲われかねません。
自宅に居る時に大災害が起きたら…
出先で被災したら…。
地震による災害は、どこで起きるか、自分がどこにいるかで大きく性質が異なってきます。
発生した時間帯によっても、身に迫る危険はそれぞれ変わるので、街を歩いていて…もし、今、大地震が起きたならば…と想像することで、携帯しておいたほうが良いモノや、逃げる場所を探しておくこともできます。
大災害を想像し、情報を得て対策を考え、正しく恐れることが大切です。
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