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南海トラフと首都直下地震は政府の被害想定を上回るのか?
巨大地震…「来る!来ると言って、来ない…備蓄を忘れている」と、街のインタビューにこたえている方をTVで観ました。
そう…巨大地震はいつ起こるのかわかりません。
30年先かもしれない…でも、今日かもしれないのです。
防災士の講義での話です。
名古屋大学教授・減災連携研究センター長の福和信夫氏が、「この会場で50歳以上の方、いらっしゃいますか?」と言われ、私は該当者です。
言われたことは、「もしかしたらあなたは巨大地震を経験しなくてもいいかもしれませんね…でも、今ここで地震が起きるかもしれませんよね」と…。
そして、「若い方は必ず巨大地震を経験します。」と言われていました。
長い歴史の中で、100年をスパンに考えると、必ず起きるんです。
巨大地震。
海上保安庁が行ったGPSを使った海底の地盤の観測では、四国や東海の沖合などで特にひずみがたまっていることが、詳しい解析が行われて明らかになりました。
専門家は想定される巨大地震の揺れや津波の大きさをより詳しく予測するうえで重要だと指摘し、被害想定を上回ることも語っています。
巨大地震は逃げられることではありません。
恐れているだけではどうしようもありません。
闇雲に恐れるのではなく「正しく理解して備える」
私は幼少の頃から父親から「東京大空襲」の話を聞かされてきました。
当時、大学生だった父は、よく東京に空襲が起きたなら…と想像し、道や川などの町並みを把握して、この場で火災が発生し風が〇〇向きに吹いていたならば…と頭の中でシュミレーションをしていたそうです。
そして、東京大空襲が!
火が燃え上がっていない方向に逃げる人の中、水を被って火の中を数か所抜けて、目的の川の凹みに身を潜めて助かった話を良くしていました。
いざというとき、逃げる道を間違えると死の方向に向かうと言っていました。
そんな経験からなのか、家族旅行に出かけると、非常階段や避難経路、ホテルの火元になる可能性の厨房などの場所を常に私と確認をしていました。
私はどんな場所でも避難経路を確認するクセがついています。
今では習慣化しているので、もしここで地震があったなら…と考えると、次の行動が見えてきます。
「当たり前」で考えることは、苦痛を伴いません。
息子二人も同じ習慣があるので、孫にもその習慣は伝わっています。
もしこの記事を読まれている方で、お子さんがいらっしゃるのであれば、是非「出先でも避難経路を確認し、自分の命を守る行動」の教育をしてあげてください。
正しく情報を得て、命を守ることを常に考え、それ対して備えるということを、苦痛に感じることがなく習慣化できて、思考が“当たり前”になることがこれから訪れる巨大地震では大切なことになります。
想像すると苦痛しかないかもしれません。
でも、目の前の未来ある子供達を見ていると、やはり守ってあげたい。
自分だけが知識を得て備えていても、守りたい人を守ることができません。
先人が伝え教えてくれていることを後世にまで繋ぎ、現代ならではの危険性を教えてあげていくことこそ、大人の務めでもあると思うのです。
ただ闇雲も恐れているのではなく、そして楽観視することもなく、今ある正しい情報と状況を把握して理解し、衣食住の命を守る備えをすることが何よりも大切なのではないでしょうか。
具体的なイメージをするには、内閣府シミュレーションCGを観て!
あらゆる研究者の話では、政府の想定以上の巨大地震になる可能性があると言われています。
でも、小さいかもしれませんよね?
小さかったらよかった…で、済む話しですが、想像以上の巨大地震だった場合は、どうしたらいいのでしょう。
津波の威力は東日本大震災で多くの映像を見てきましたが、防災士の講習では「東日本大震災」以上の被害になるのが「南海トラフ地震」になると言われています。
衝撃的だった地震…そして津波。
その後、国の対策が!国の応援が!…と政府の対応で様々な遅れや物資が届かないことの報道もありましたが、南海トラフでは政府は全く機能されないのではないか?…と言われるほど、巨大地震になります。
津波…高さ34m…ビル9階の高さの津波が襲う地域があります。
この津波の高さの中、どうやって救助するのでしょう。
私達が助かる方法として、「自力」しかないのです。
どうなるのだろう…と思われる方、内閣府シミュレーションCGを観てみてください。
■南海トラフ巨大地震 ~そのとき何が起こるのか?~内閣府CG
■首都直下地震 ~そのとき何が起こるのか?~内閣府CG
シミュレーションCGを観ることで、救助がすぐに出動できないこともわかりますね。
自力で自分を守るために、近隣とのコミュニケーションはとても大切です。
災害時の基本:自力7割・共助2割・公助1割
政府は、災害時は自力7割・共助2割・公助1割として生きていくことを方針にしています。
- 自助…自分の身は自分で守る 7割
- 共助…互いに助け合う 2割
- 公助…公の力 公助 1割
公の助けは1割になります。
東日本大震災でも国民は国の援助が遅い!足りない!…と様々な意見がありましたが、南海トラフ地震のような巨大地震による被害が大きければ大きいほど、そのような援助は受けられない可能性が高いのです。
阪神淡路大震災・東日本大震災の被害額と、これから起こる可能性の高い首都直下地震・南海トラフ巨大地震の被害の大きさの違いは、被害想定額を確認すると想像できると思います。
政府の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループによると、南海トラフ地震を「国難」とし、「国民の半分が被災者になる」と想定しています。
命を守るのが一番!
そして備えておくこと!
自分でできるだけの準備をして、何があっても生き延びる覚悟をもつ「自力」
そして、自力でどのように愛する家族を守れるのか…
避難生活になる可能性がある場合、災害時一時避難として親や親戚・友人など、どちらかが被害にあった時、お世話になれる場所も確認しておくことさえ必要です。
私の親はすでに両親他界しています。
兄弟もいません。
しかし、息子達のお嫁さん達のご家族と、もし被災にあった場合いつでも行き来できるように、お互いに相手の家族の分も含め、多めに備蓄をしています。
私達が協力できるのは、未来の子供達を守るための方法だからです。
それは声掛けから始まり、ラインでグループを作ったり災害時の緊急連絡を教え合ったり、様々なことを事前に決めておくことで“もしもの時”迷ううことなく連絡し助け合うことができます。
ご近所さんと力を合わせることも大切で、シュミレーションで観たように、近所同士で消火活動や救出作業をすることになるからです。
ひとりではできないことでも、力を合わせることで自分・そして未来の子供達を守り、多くの人を助けることができます。
それは互いに助け合う「共助」になります。
そして、政府が機能できる状態であるならば、公助の助けを受けることができるでしょう。
避難所は設置できても、物資が届かないこと…避難所に入れない場合があることなどを、きちんと把握しておきましょう。
避難所に行けば、生活や食事はどうにかなるのか…?
いいえ!どうにもなりません。
道が阻まれ救助できる状況ではないことは、内閣府のシュミレーションCGを見ていただくことで、イメージできると思います。
地震国である日本に生きる私達は、常に“最悪の事態を想定”して覚悟をして備えておく必要があります。
闇雲に恐れるのではなく、正しく理解して心の準備とモノを備える…
普段の生活で意識していくことで、防災・減災に繋がることを習慣化していきましょう。
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