地震発災時のペット!飼い主が困った実例で日常注意しておくこと
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災害時、自力でペットと同行避難が基本
愛してやまないコンパニオンアニマル…ペット。
環境省は「ペットを守るためには一緒に避難する“同行避難”が重要だとしました。
その同行避難とは、一緒に避難所に行けばいいということではありません。
「飼い主が自らの安全を確保した上で、ペットも安全な所につれて行く」という意味です。
原則は「自助」
災害時にペットの安全を確保するのは、飼い主の責任であり、避難が必要な状況になったら基本は「同行避難」することとしています。
災害後、置いてきぼりになった犬や、放された動物が多くいましたが、その後の彼らは、目を背けたくなるような共食いの写真や、やせ細っている犬…と、悲しく苦しくなる状況になっていました。
衛生面でも死骸の悪臭で悩んだ地域もあるようです。
そのように、飼い主としての責任は、命ある限り最後まで責任をもつと、環境省がガイドラインを新たに発表しています。
しかし、法整備・環境整備と、まだまだ課題は多いです。
避難所で誰もペットの避難所のことを手掛けていないのであれば、自分がリーダーとなって環境を作るという行動はしてもいいと思います。
行政が手がまわらないのであれば、避難所管理側に報告しつつ、他の人の迷惑にならないようにペットたちを集める場所と環境ができるのがベストです。
ボランティア団体が協力をしてくれる場合もありますし、自分の子を守るためにも自力で行動を起こすことを考えてもいいでしょう。
動物と同行する避難の難しい問題が浮き彫りになっている、いくつかの実例をあげていきます。
避難所でペットと飼い主に起きた実例
避難所でペットと飼い主に起きた出来事
災害時、人命が最優先です。
大規模災害の直後は、人の避難場所も不足するので、ペットを受け入れたくても、その予算・場所・他の避難者の理解など、余裕がないというのが現状です。
では、どうしたらいいのでしょう。
まず、避難所でトラブルになった実例をあげて考えてみましょう。
犬が吠えて迷惑をかける
我家の保護犬は、人を怖がるのでよく吠えてました。
吠えられて気分の良い人はいないので、訓練して約2カ月で吠えなくなっています。
吠えるのは必ず理由があります。
その理由を解決させてあげることが、後々その子に苦労をさせないことになると思うのです。
いつもと環境が違う状態になるのですから、普段吠えない子も怖くて吠えることもあります。
まずは、自分がリーダーになって、導いてあげることです。
避難所にいる人の中には、動物が苦手な人や、動物アレルギーがある人もいます。
更に吠えてしまうことで、人と動物共に大きなストレスを感じさせるようになり、トラブルになっています。
やむを得ず車中での避難になったなど、自分たちの救援物資も得られない状態になった人がいるのです。
避難所での生活ができない前提で非常時用として備え、吠える子は今からでも訓練をするようにしましょう。
飼い主のマナーが悪い
避難所、車中やテントになったとしても、多くの人と関わって生きています。
従来の散歩も同じですが、糞の放置は動物を育てている私でも不愉快になります。
アンケートで、ペットを嫌う理由として、我が子可愛さにマナーがなっていない人がいる。…というものがあります。
誰もがペットが平気なわけではないですし、糞の放置は文句になっても仕方がありません。
そのほかに毛の飛散などが原因として、避難者とトラブルになっています。
共同生活をしているのだから、マナーは守るようにしましょう。
ペットフードの支援がない
人の支援物資はあるが、ペットフードの支援はなかった。
人の支援物資もままならない中、ペットフードのモノはなかなか手に入らないのが現状です。
メーカーなどのペット関連の企業や、全国のペットの飼い主さんの寄付以外、ペットフードは入手できません。
ですから、必ず1か月分のペットフードを用意しておくべきなのです。
人の配給がない中、ペットの食べ物はないと思たほうがいいでしょう。
そして、自宅にストックしてあっても、家の倒壊によってストックがなくなった場合も想定して、自分に配給されるであろう“おにぎり”の米は食べられるようにしましょう。
ペットフードの入手が困難であれば、自分の分を分け与えてあげる覚悟が必要です。
私はうさぎの多数飼いをしているとき、すごく不安だったことを覚えています。
うさぎは草食動物のため、人間の食べる物をあげるわけにいきません。
ただ新鮮な野菜があればいいのですが、避難時に野菜が入手できることはないような気がします。
牧草も持ち運ぶのは大変。
牧草が圧縮されキューブ状になっているものなどを用意して、うっ滞にならないようにしなければ、命取りになりかねません。
救援物資は犬猫のごはんが多いことが想像されます。
特徴あるごはんを用意しなければならない動物は、必ず避難用のごはんを用意しておきましょう。
救援物資のペットフードを食べない
長期間避難生活になっていると、様々な人たちが動物達の救済で動いてくれます。
動物関係の救援物資が届いたのは、とても感謝するべきことです。
しかし、動物にはその理由などわかりません。
家が倒壊していなければ、動物の備えのストックがあるかもしれませんが、何もなくなってしまった場合、動物達にどうにかして食べてもらわなければなりません。
私は今まで、1種類のドッグフードだけで過ごさせることをしたことがありません。
基本手作り食ですが、災害時のことを考えて3種類のドッグフードに、様々なトッピングをして、カリカリに仕上げたり、おじや風に柔らかくしたりして、同じものを繰り返しあげることをしていません。
どんなものでも、食べられるようにしておきたいからです。
何種類かのドッグフードを食べるとお腹を壊す子がいるので、慎重にしなければならないことですが、胃腸が健康な子だったら、様々なドッグフードをたべられるように、普段から気をつけるようにしましょう。
特定食(治療食等)の入手に苦労
家が倒壊していなければ、ストックを取り出せると思います。
しかし、特定食の場合はストックをしていないと、入手は難しいでしょう。
獣医さんから購入しているようだったら、一度訪ねてみるのもひとつの方法ですが、世の中混乱しているとき、獣医さんがいるのを探すのは困難かもしれません。
代替食として、どんなものを食べたらいいのか…ということを、調べていくといいかもしれません。
犬がケージになれていない
家の中で自由に過ごしていると、ケージではストレスになり吠えるかもしれません。
寝るときはケージやサークルなど、「柵」の中に入るという習慣があった方が楽です。
できることなら、サークルの中にキャリーも設置して、キャリーでの移動もできるような子に育てておきましょう。
犬がペットシーツに排尿・排便しない
旅立ったチワワが外でトイレをしたい子で、台風のときはギリギリまで我慢して、どうにもならなくなったらペットシーツにするという状態だったので、腎盂炎にならないか心配したことがあります。
現代の動物飼いは、外で便や尿をしないようにしつけるということが基本になっています。
トイレのしつけで苦労している方もいらっしゃいますし、我家の保護犬は、ずっと紙おむつで過ごしていたようです。
でも、1か月で紙おむつを外せました。
根気強く…そして怒らないで…ゆっくりとペットシーツで用を足せるように、教えてあげましょう。
避難所では、ケージの中にずっといるような生活になります。
それだけでもストレスになるので、日常でしつけをし直して、避難所では目の前の子が苦しくない生活ができるように、飼い主が心がけましょう。
他の動物に慣れない
我家にはアメリカンファジーロップといううさぎで、とてもデリケートな子がいました。
外で猫の喧嘩をの声を鳴くだけで、ケージの隅で震えた子がいました。
犬や猫は、うさぎにとって、エサの候補としてターゲットにされる立場です。
自然界ではそのような立場なので、怖がって当然です。
このように、動物の本能が仲間以外は受け入れないということもあります。
環境が変わった上、自分が攻撃されるかもしれないと感じてしまう動物にとっては、恐怖だと思うのです。
このようなことで、避難所だけではなく、シェルターにも預けることができないため、苦労された飼い主さんもいます。
その子の個性として受け入れ、避難所の環境が整っていないのであれば、車中やテント生活も検討すべきことになるでしょう。
感染症の予防接種をしていない
予防注射など、受けなければならない義務を怠っている犬は、避難所やシェルターに入れないという例もあります。
予防接種やワクチンを受けていないことで、感染されていくので、環境を保つ意味でも重要なことです。
ワクチンの証明できないとして、1日歩いて獣医さんの元に行き、証明書をもらってきたという例があります。
厳しいようですが、そのくらいしないと、避難所やシェルターの運営ができなくなるような感染症などの恐れがあるからだと思います。
若しくはワクチンを受けた子と、受けていない子を分けることになり、証明書がないと環境の悪い場所に移動されることもあるようです。
実例としてダニが異常発生したとして、人への感染があり大変だったようです。
これからもワクチンなど確認をされると思うので、非常袋にはワクチン証明書などを入れておくことをおすすめします。
避難所やシェルターでのペット問題と解決法
環境省は、しつけなど普段からの適切な飼育と、ペット用の避難用品の準備の備えを実践してほしいと呼びかけています。
実際、飼い主である私達が、実践していかないと動物の立場がいつまで経っても前にすすみません。
避難所の室内にペットを連れ込むことはできないけもしれませんが、動物のことを考えてくれる人がいるかもしれません。
便や尿の片付けなど、他の人の生活を侵害することなく、飼い主が率先して衛生に努め、しつけができていない動物の鳴き声などを少しでも減らすことが大切です。
「人畜共通感染症」のリスクは、断水して衛生状態が悪いと、手の施しようがなくなるほど大変なことになります。
飼い主とほかの避難者の間でトラブルになったり、動物のシェルターの近郊住民のクレームなど、ペットを巡る問題が相次いだ実例から、飼い主の責任として、環境省では「同行避難」という表現をしています。
しつけは自分の子を社会に受け入れてもらうためにも、訓練をするようにしましょう。
避難所にペットへの支援品が届かない場合もあることから、日頃食べている「ペットフード」トイレ関連の日用品も避難用品の準備をおすすめします。
そして、ペットとはぐれてしまった場合に備えて、鑑札やマイクロチップ、首輪に飼い主情報などを埋め込み、すぐに見つけ出せる対策を検討してください。
今、目の前の子達は、私達を疑うことなく信じています。
その子と共に、災害後でもいっしょに生きていかれるように、準備をすることも飼い主の責任であり愛情だと思います。
※出典:写真の一部-熊本地震「君(ペット)がいるから…」より
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